満たされない距離と Sade


どうしようもなく、心が満たされない。

満たされているようで、決定的に何かが欠けている。その「何か」が何なのかは理解している。だが、その事実が最もやるせない。

理由もなく、ただ遠くを眺めてしまう。手が届かない、でも諦めることさえできない、輪郭の定まらない感情の層に静かに沈んでいる。今夜は、この不足感だけが、確かにある自分の場所だ。

その空虚感を埋めるように、今、Sadeの『Love Deluxe』に針を落とした。彼女の声は、この所在のない感情をすべて包み込んでくれるようだ。特に「No Ordinary Love」の深くメローなグルーヴ。この夜に必要なのは、この温度の低い極上の色気だけだ。

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